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【図解】解約返戻金の確定申告の書き方|一時所得の計算も解説

生命保険などを解約して解約返戻金を受け取ったけれど、一時所得としていくらから確定申告が必要なのか、税金の計算や具体的な入力方法がわからずお困りではありませんか。そもそも確定申告不要なケースもあるのか、この手続きをしないとどうなるのか、不安に感じる方も多いかもしれません。

この記事では、確定申告の際に揃えるべき必要書類や、差し引くことができる必要経費の考え方、そして便利なe-Taxでの申告手順を分かりやすく解説します。さらに、近年増えている外貨建て保険や保険の種目による違いについても触れ、具体的なシミュレーションを交えながら、あなたの疑問を一つひとつ解消していきます。申告に必要な書類の準備から、実際の書き方まで、この記事を読めば全てがわかります。

  • 解約返戻金で確定申告が必要になる具体的なケース
  • 一時所得の計算方法と税金額のシミュレーション
  • 確定申告書の書き方とe-Taxでの入力手順
  • 申告をしなかった場合に課されるペナルティと注意点

解約返戻金の確定申告、書き方の基本と準備

  • 保険の解約返戻金は確定申告が必要ですか?
  • 利益がいくらから?一時所得の課税対象額
  • 確定申告不要になる具体的なケース
  • 確定申告で解約返戻金の必要書類は?
  • 解約返戻金を申告しないとどうなる?

保険の解約返戻金は確定申告が必要ですか?

保険の解約返戻金を受け取った場合、必ずしも全てのケースで確定申告が必要になるわけではありません。確定申告が必要になるのは、受け取った解約返戻金の額から、これまで支払った保険料の総額を差し引いたときに「利益」が出た場合です。

つまり、受け取った金額が支払った総額よりも多ければ、その利益部分が課税の対象になる可能性がある、ということです。逆に、受け取った金額が支払った総額と同じか、それよりも少ない場合(元本割れ)は、利益が出ていないため課税対象にはならず、確定申告も不要です。

この利益は、税法上「一時所得」という区分に分類されます。一時所得には特別な計算方法があり、利益がそのまま課税対象になるわけではない点もポイントです。まずは、ご自身の状況で利益が出ているかどうかを確認することが、確定申告の第一歩となります。

ポイント:確定申告の要否は「受け取った解約返戻金」と「支払った保険料総額」の差額(利益)で決まります。利益が出ていなければ申告は必要ありません。

利益がいくらから?一時所得の課税対象額

解約返戻金で利益が出た場合、その利益は「一時所得」として扱われます。この一時所得の金額は、次の計算式で算出します。

一時所得の金額 = (解約返戻金額 - 支払保険料総額) - 特別控除額50万円

この計算式で最も重要なのが「特別控除額50万円」の存在です。これは、利益が出たとしても、最大50万円までは控除が認められるという制度です。したがって、利益が50万円以下であれば、一時所得の金額は0円となり、結果的に税金はかからず確定申告も不要になります。

さらに、実際に課税対象となる金額は、この一時所得の金額を2分の1にした額です。

課税対象額 = 一時所得の金額 × 1/2

この課税対象額を、給与所得など他の所得と合算して、最終的な所得税額が計算されます。例えば、利益が80万円だった場合、(80万円 – 50万円) × 1/2 = 15万円が課税対象額となります。

一時所得とは?

一時所得とは、営利を目的とする継続的な行為から生じた所得以外の所得で、労働の対価や資産の譲渡による対価でもない一時的な性質の所得を指します。解約返戻金のほかに、懸賞の賞金品、競馬や競輪の払戻金、法人から贈与された金品なども一時所得に該当します。(参照:国税庁 No.1490 一時所得

法人保険の<br />専門家ゆう
法人保険の
専門家ゆう

会社員の方の場合、給与所得以外の所得(今回の一時所得を含む)の合計額が年間20万円を超えなければ、確定申告は不要というルールもあります。ただし、医療費控除などで確定申告をする場合は、20万円以下の一時所得も申告が必要です。

確定申告不要になる具体的なケース

前述の通り、解約返戻金を受け取っても確定申告が不要になるケースがあります。ここで、その具体的な条件を整理しておきましょう。ご自身がどのケースに当てはまるか確認してみてください。

確定申告が不要になる主なケースは、以下の2つです。

1. 利益が出ていない、または50万円以下の場合

これが最も一般的なケースです。計算式「解約返戻金額 - 支払保険料総額」で算出した利益が、一時所得の特別控除額である50万円に満たない場合です。

  • 利益がマイナス(元本割れ)
  • 利益が0円
  • 利益がプラスでも50万円以下

これらの状況では、一時所得の金額が0円以下となるため、課税対象は発生せず、確定申告の必要はありません。

2. 会社員で、他の所得と合わせた利益が20万円以下の場合

年末調整で納税が完了している会社員(給与所得者)の方には、給与所得以外の所得が年間合計20万円以下であれば、確定申告をしなくてもよいという特例があります。

この「給与所得以外の所得」には、解約返戻金の一時所得(課税対象額)も含まれます。一時所得の課税対象額は「(利益 – 50万円) × 1/2」で計算されるため、この金額が20万円以下であれば、原則として確定申告は不要です。

注意点:この20万円ルールは、あくまで「確定申告をしなくてもよい」という特例です。医療費控除やふるさと納税(ワンストップ特例制度を利用しない場合)などで自主的に確定申告を行う場合は、20万円以下であっても解約返戻金の所得を合わせて申告する義務が生じますので、ご注意ください。

確定申告で解約返戻金の必要書類は?

解約返戻金の確定申告を行うにあたり、事前にいくつかの書類を準備する必要があります。スムーズに手続きを進めるために、あらかじめ手元に揃えておきましょう。

主に必要となる書類は以下の通りです。

1. 生命保険会社などが発行する「支払調書」

保険を解約すると、通常は保険会社から「支払調書」や「解約手続完了のお知らせ」といった書類が送られてきます。これには、受け取った解約返戻金の金額や、場合によっては支払った保険料の総額源泉徴収された税額(一時払養老保険などで5年以内に解約した場合など)が記載されています。

申告書を作成する際の金額の根拠となる最も重要な書類です。もし手元にない場合は、保険会社に問い合わせて再発行を依頼してください。

2. 確定申告書

税務署で直接受け取るか、国税庁のウェブサイトからダウンロードして入手します。e-Tax(電子申告)を利用する場合は、紙の申告書は不要です。

3. 源泉徴収票(給与所得者の場合)

会社員や公務員の方は、勤務先から発行される源泉徴収票が必要です。給与所得の金額や所得控除の額を申告書に転記するために使用します。

4. 本人確認書類

マイナンバーカードがあれば、それだけで本人確認が完了します。マイナンバーカードがない場合は、「マイナンバー通知カード」や「マイナンバーが記載された住民票の写し」と、運転免許証やパスポートなどの身元確認書類の2点が必要になります。

法人保険の<br />専門家ゆう
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支払調書は確定申告書に添付する義務はありませんが、申告内容の確認や証明のために、必ず5年間は保管しておきましょう。

解約返戻金を申告しないとどうなる?

確定申告が必要であるにもかかわらず、手続きを怠ってしまうと、ペナルティとして本来納めるべき税金に加えて、追加の税金が課される可能性があります。申告漏れは後から発覚することが多く、その場合、かえって負担が大きくなるため注意が必要です。

申告をしなかった場合に課される主なペナルティは以下の通りです。

無申告加算税

法定申告期限(原則として翌年3月15日)までに確定申告をしなかった場合に課される税金です。納付すべき税額に対して、50万円までは15%、50万円を超える部分は20%の割合で課されます。ただし、税務署の調査を受ける前に自主的に期限後申告をした場合は、この割合が5%に軽減されます。

延滞税

法定納期限までに税金を納付しなかった場合に、その遅れた日数に応じて課される、利息に相当する税金です。税率は年によって変動しますが、納期限の翌日から2ヶ月を経過する日までは比較的低い率、それ以降は高い率が適用されます。

保険会社は税務署に対して「誰にいくら支払ったか」という内容の支払調書を提出する義務があります。そのため、「申告しなくてもバレないだろう」と考えるのは非常に危険です。申告が必要かどうかを正しく判断し、対象となる場合は必ず期限内に申告を済ませましょう。

もし申告が必要かどうかの判断に迷う場合は、税務署や税理士などの専門家に相談することをおすすめします。

図解でわかる解約返戻金の確定申告の書き方

  • 一時所得の計算で認められる必要経費
  • 税金はいくら?100万円の返戻金でシミュレーション
  • e-Taxでの具体的な入力方法を解説
  • 外貨建て保険や保険の種目による違い
  • 迷わない解約返戻金の確定申告の書き方

一時所得の計算で認められる必要経費

一時所得の計算式「(収入金額 - 必要経費) - 特別控除50万円」に含まれる「必要経費」について、具体的に何が該当するのかを正しく理解することが大切です。

解約返戻金の場合、この必要経費に該当するのは、その収入(解約返戻金)を得るために直接要した金額、つまり「これまで支払ってきた保険料の総額」です。

例えば、15年間保険料を払い続けてきた保険を解約したのであれば、その15年間に支払った保険料の合計額が必要経費となります。保険会社から送られてくる支払調書に、支払保険料総額が記載されていることが多いので、まずはその金額を確認しましょう。

注意点:関連費用は経費にならない

保険契約に関連して発生した他の費用、例えば保険の相談をしたファイナンシャルプランナーへの相談料や、解約手続きのためにかかった交通費などは、残念ながら一時所得の必要経費として認めることはできません。あくまで、その解約返戻金に直接対応する支払保険料のみが対象です。

もし支払調書に保険料総額の記載がない、あるいは紛失してしまった場合は、保険会社の契約者向けウェブサイトや、コールセンターへの問い合わせなどで確認することができます。正確な金額を把握することが、正しい申告の第一歩です。

税金はいくら?100万円の返戻金でシミュレーション

ここでは、具体的に「解約返戻金が100万円」だった場合に、税金がいくらになるのかをシミュレーションしてみましょう。支払った保険料の総額によって、結果が大きく変わることがわかります。

※以下のシミュレーションは、他に一時所得がないことを前提としています。また、所得税の税率は、課税される所得金額が195万円超4,000万円以下の方に適用される税率(5%~40%)を参考にしていますが、実際の税額は個人の総所得金額や所得控除によって変動します。

ケース1:支払保険料総額が80万円の場合

このケースでは、利益は「100万円 – 80万円 = 20万円」となります。
一時所得の特別控除額は50万円なので、利益20万円は全額控除されます。
(20万円 – 50万円) = -30万円
一時所得の金額は0円となり、課税対象額も0円です。このため、確定申告は不要です。

ケース2:支払保険料総額が40万円の場合

こちらのケースでは、利益は「100万円 – 40万円 = 60万円」となります。
利益が特別控除額50万円を超えるため、課税対象が発生します。

  • 一時所得の金額: 60万円 – 50万円 = 10万円
  • 課税対象額: 10万円 × 1/2 = 5万円

この5万円が、給与所得などの他の所得と合算され、所得税が計算されます。例えば、所得税率が10%の方であれば、単純計算で「5万円 × 10% = 5,000円」の所得税が増えることになります(復興特別所得税は考慮せず)。

このように、同じ100万円の解約返戻金でも、支払った保険料によって納税額が大きく変わります。ご自身の状況を計算式に当てはめて、まずは課税対象額がいくらになるのかを把握することが重要です。

所得税の税率については、国税庁のウェブサイトで確認できます。(参照:国税庁 No.2260 所得税の税率

e-Taxでの具体的な入力方法を解説

確定申告は、自宅のパソコンやスマートフォンから行えるe-Tax(電子申告)が非常に便利です。ここでは、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を利用した際の、一時所得の具体的な入力方法の流れを解説します。

※画面のデザインは年によって変更される可能性があります。

ステップ1:確定申告書等作成コーナーへアクセス

国税庁の公式サイトから「確定申告書等作成コーナー」へアクセスし、「作成開始」ボタンをクリックします。マイナンバーカードを使った提出方法が推奨されています。

ステップ2:収入金額・所得金額の入力画面へ

画面の案内に従って進み、「収入金額・所得金額の入力」という画面まで進みます。

ステップ3:「一時所得」を選択

給与所得や事業所得など、さまざまな所得の入力欄が並んでいます。その中から「一時所得」の「入力する」ボタンをクリックします。

ステップ4:一時所得の詳細を入力

「一時所得の入力」画面が開きます。ここに、保険会社から送られてきた支払調書の内容を転記していきます。

  • 種目・所得の生ずる場所: 「生命保険契約の解約返戻金」などと入力します。「所得の生ずる場所」には保険会社名と所在地を記入します。
  • 収入金額: 受け取った解約返戻金の総額を入力します。
  • 必要経費: これまで支払った保険料の総額を入力します。

これらの金額を入力すると、一時所得の金額や課税対象額が自動で計算され、申告書に反映されます。入力内容を確認し、他の所得や控除の入力に進みます。

法人保険の<br />専門家ゆう
法人保険の
専門家ゆう

初めての方でも画面の案内に従えば、迷わず入力できるようになっています。手書きよりも計算ミスがなく安心ですよ。ぜひe-Taxの利用を検討してみてください。(公式サイト:確定申告書等作成コーナー

外貨建て保険や保険の種目による違い

解約返戻金の税務上の取り扱いは、基本的に保険の種目によって大きく変わることはありませんが、いくつかの注意点があります。特に「外貨建て保険」と「学資保険」について確認しておきましょう。

外貨建て保険の場合

ドルやユーロなどの外貨で保険料を支払い、解約返戻金も外貨で受け取るタイプの保険です。この場合、確定申告を行うには、全ての金額を日本円に換算する必要があります。

  • 収入金額(解約返戻金): 解約返戻金を受け取った日(または支払いが確定した日)のTTM(対顧客電信売買相場仲値)で円換算します。
  • 必要経費(支払保険料): 保険料を支払った日ごとのTTMで、それぞれ円換算した金額を合計します。

為替レートの変動によって、外貨ベースでは利益が出ていなくても、円換算すると利益が出る(為替差益)、あるいはその逆のケースも発生します。計算が複雑になるため、保険会社から送付される円換算の参考資料などを活用すると良いでしょう。

学資保険(こども保険)の場合

満期を迎え、満期保険金を一括で受け取った場合も、解約返戻金と同様に一時所得として扱われます。契約者(保険料を支払っていた人)と受取人が同一人物であることが条件です。

計算方法も同じで、「(満期保険金額 - 支払保険料総額)- 特別控除50万円」で一時所得を計算します。学資保険は比較的元本割れしにくい商品ですが、利益が50万円を超える場合は申告が必要です。

補足:保険料の負担者と満期保険金の受取人が異なる場合、例えば「契約者(保険料負担者):祖父、受取人:孫」のようなケースでは、一時所得ではなく贈与税の対象となります。税金の扱いが全く異なるため、契約形態をよく確認することが大切です。

迷わない解約返戻金の確定申告の書き方

この記事では、解約返戻金を受け取った際の確定申告の書き方について、基本から具体的な手順まで詳しく解説しました。最後に、重要なポイントをまとめます。

  • 解約返戻金の申告は利益が出た場合のみ必要
  • 税金の区分は「一時所得」として扱われる
  • 利益から最大50万円の特別控除を差し引ける
  • 利益が50万円以下なら原則申告は不要
  • 課税対象は一時所得の金額をさらに2分の1にした額
  • 必要経費はこれまで支払った保険料の総額
  • 申告をしないと無申告加算税などのペナルティがある
  • 保険会社から送られる支払調書が金額の根拠となる
  • 会社員は源泉徴収票も準備する
  • 確定申告はe-Taxを利用すると便利
  • e-Taxでは「一時所得」の項目に入力する
  • 外貨建て保険は円換算が必要
  • 学資保険の満期金も一時所得に該当する場合がある
  • 契約者と受取人が違うと贈与税の可能性も
  • 申告が必要か迷ったら税務署や専門家に相談する

確定申告と聞くと難しく感じるかもしれませんが、ポイントを押さえればご自身でも十分に対応可能です。この記事を参考に、落ち着いて手続きを進めてください。

この記事を書いた人
法人保険の専門家ゆう

法人保険の専門家ゆうです。
中小企業の経営者様を対象に、法人保険の戦略的な活用法を専門とするコンサルタント。20年以上の経験と公的機関の一次情報に基づき、税務、資金繰り、事業承継など、経営課題を解決する実践的な情報をお届けしています。

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